朝日ヶ丘スミレ団

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■ アルジェとアルファ

・ 子犬現る

zoku000507.png(118864 byte)  それは、春のうららかな昼下がりだった。朝日ヶ丘小学校の裏山で、アルマイトは休息という名目の昼寝をしていた。放課後ならいざ知らず、こんな時間には誰も来ない。
 目を覚ましたときには、すでに日は傾いていた。円盤にもたれかかっていたアルマイトは、あわてて立ち上がる。  「まずい!又寝過ごした!」
 円盤に乗り込もうとした時だ。足下で何かが動いた。目を向けると、一匹の犬が丸まっていた。まだ子供らしい。しきりにアルマイトのブーツを舐めている。
 「なんだ?腹でも減ってるのか?……犬って、何を食べるんだっけ?」
 アルマイトは子犬を抱え上げた。どうやら野良らしく、首輪も付けていない。しばらく考えた後、アルマイトは子犬を抱いたまま、円盤に乗り込んだ。
 「帰って、調べてみるか」


・ かわいい〜!

zoku000510.png(150825 byte)  「まあ、かわいい!」
 駆け込んできたのは、橙のマスクに、紺色のマントの女性だった。アルジェの初めて見る顔だ。


・ ミナ・ヘブルです

per010829.gif(22977 byte)  「君は?」
 尋ねるアルジェに、彼女は一礼した。
 「失礼しました。私、養成学校から研修に来た、ミナ・ヘブルです。ミナって呼んで下さい」


・ ワンちゃん…

654.png(6633 byte)  「おい、いつまでも犬と戯れている場合じゃないだろ。パトロールはどうしたんだ」
  ミナの教育担当である、エクタルがやってきた。青いマスクに白いマントといういでたちの男性だ。
 「行くぞ、ミナ。アルジェも適当にしろよ」
 ミナは、未練たっぷりに部屋を出ていった。

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